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全作品解説

映画「男はつらいよ 葛飾立志篇(第16作)」の作品解説(マドンナ:樫山文枝)

2020年4月2日

この記事では、寅さん映画シリーズの「男はつらいよ 葛飾立志篇(第16作)」の作品の見どころを解説していきたいと思います。

映画「男はつらいよ 葛飾立志篇(第16作)」の予告編動画

映画「男はつらいよ 葛飾立志篇(第16作)」の作品データ

映画「男はつらいよ 葛飾立志篇(第16作)」のビジュアルポスター
公開日1975年12月27日
収録時間100分
マドンナ樫山文枝
ゲスト桜田淳子/米倉斉加年/大滝秀治/小林桂樹
監督・原作山田洋次
スタッフ製作:島津清/名島徹
企画:高島幸夫/小林俊一
脚本:山田洋次/朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男/佐藤公信
音楽:山本直純
録音:中村寛
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小野里良
装飾:町田武
衣装:松竹衣装
現像:東京現像所
進行:玉生久宗
製作主任:内藤誠
協力ブルドックソース株式会社
柴又新明会
主題歌男はつらいよ
観客動員数2,131,000人(シリーズ7位)
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同時上映「正義だ!味方だ!全員集合!!」
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映画「男はつらいよ 葛飾立志篇(第16作)」のDVD&Blu-ray

「男はつらいよ 葛飾立志篇(第16作)」の動画配信サービス

映画「男はつらいよ」シリーズは、「FODプレミアム」「hulu」「U-NEXT」などの動画配信サービスを利用することで、いつでも視聴することができます。

「男はつらいよ」の全作品を見放題で配信している動画配信サービス一覧

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映画「男はつらいよ 葛飾立志篇(第16作)」のロケ地情報

「男はつらいよ 葛飾立志篇(第16作)」のロケ地
  • 本山慈恩寺(山形県)
  • 白岩地区(山形県)
  • 最上川渡し跡(山形県)
  • 水岸山観音寺(山形県)
  • 上山温泉郷(山形県)
  • 金町すずらん通り(東京都)
  • 東京大学(東京都)
  • 足保港(静岡県)
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    「男はつらいよ 葛飾立志篇(第16作)」作品のあらすじ

    久しぶりに「とらや」に帰ってきた寅次郎は、16年前にお世話になった”お雪”の娘・順子(桜田淳子)と再会し、”お雪”がすでに亡くなっていることを知る。
    ”お雪”の墓参りをするために山形県の寒河江を訪れた寅次郎は、慈恩寺の住職と出会い、学問の大切さについて聞かされる。
    一念発起して学道に励もうと柴又に帰ってきた寅次郎は、「とらや」に下宿中の大学研究室助手・筧礼子(樫山文枝)と出くわし、さっそく住職から聞いた話をあたかも自分が語っているかのように話して聞かせる。
    学問が染みついたような礼子にあこがれを抱くようになった寅次郎は、礼子から歴史の勉強を教えてもらうことになるが、礼子を弟子だと名乗る大学教授・田所(小林桂樹)の登場により、事態は思わぬ方向へと進んでいく。

    「男はつらいよ 葛飾立志篇(第16作)」作品のキャスト

    <メインキャスト>

    • 車寅次郎:渥美清
    • さくら:倍賞千恵子
    • 竜造:下條正巳
    • つね:三崎千恵子
    • 博:前田吟
    • 社長:太宰久雄
    • 源公:佐藤蛾次郎
    • 満男:中村はやと
    • 旦那:吉田義夫
    • 轟巡査:米倉斉加年
    • 住職:大滝秀治
    • 御前様:笠智衆
    • 順子:桜田淳子
    • 筧礼子:樫山文枝
    • 田所先生:小林桂樹

    <サブキャスト>

    笠井一彦/羽生昭彦/木村賢治/長谷川英敏/坂大勝也/谷よしの/後藤泰子/戸川美子/

    マドンナ:樫山文枝

    マドンナ:樫山文枝

    <役名:筧礼子>

    東京大学で考古学を専攻する大学研究室の助手。
    御前様の親戚で、線香のニオイが嫌いだという理由で、「とらや」の二階に下宿することになる。
    寅次郎とは柴又の喫茶店で出会い、己を知る学問をしたいという寅次郎のために家庭教師を買って出る。
    その後、同じ大学の教授で、師匠でもある田所(小林桂樹)から突然のプロポーズを受け、思い悩むことになる。

    父親ほど年の離れた大学教授から、しかも師弟関係という間柄でプロポーズされるという少しドキドキする展開になるが、結婚を意識したことによって揺れ動く女性の心情を見事に演じている。

    →「「男はつらいよ」に登場した寅さんの歴代マドンナ47人を徹底ガイド

    ゲスト:桜田淳子

    ゲスト:桜田淳子

    <役名:最上順子>

    寅次郎が自分の本当の父親であると信じて、はるばる山形県から「とらや」に訪れてきた女学生。
    16年前に、空腹で倒れそうだった寅次郎に無償で料理を振舞ってくれたお店の女将・お雪の一人娘。
    父親は、女道楽の絶えない遊び人だったらしく、順子ができたことを知って行方をくらましてしまう。
    1年前に「お雪」が亡くなり、今はたった一人で力強く生きている。

    ゲスト:米倉斉加年

    ゲスト:米倉斉加年

    <役名:轟巡査>

    帝釈天前派出所勤務の巡査。

    米倉斉加年は、この作品以外にも「寅次郎夢枕(10作)」でマドンナに恋する大学助教授・岡倉金之助役、「寅次郎真実一路(34作)」では、一流企業のサラリーマン・富永健吉役などのサブキャストとして登場している。
    その他、オープニングの夢のシーンでも、ノンクレジットで何度か出演している。
    今作では、帝釈天参道の平和を守る巡査役として初登場。
    その他、20作「寅次郎頑張れ!」、26作「寅次郎かもめ歌」でも巡査役として登場するが、26作のときは青山巡査と苗字が変わっている。
    1973年にヒットした桜田順子の「わたしの青い鳥」を口ずさみながらをさらっと「とらや」を通過していくという小ネタを見せる。

    ゲスト:大滝秀治

    ゲスト:大滝秀治

    <役名:慈恩寺の住職>

    山形県にある、お雪の菩提所・慈恩寺の和尚。
    寅次郎に己を知ることの大切さを説き、論語(「朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり」)を聞かせ、学問の奥深さを諭す。
    それをきっかけにして、寅次郎が学道を目指すようになる。

    大滝秀治はこの作品を境に、17作「寅次郎夕焼け小焼け」で大雅堂の店主、22作「噂の寅次郎」で雲水役として登場してくる。

    ゲスト:小林桂樹

    ゲスト:小林桂樹

    <役名:田所教授>

    東京大学で考古学を研究している大学教授。
    知らないことがないくらい博識ではあるが、愛情問題に関して答えを見つけ出すことができずに未だ結婚できないでいる。
    今作のマドンナ・筧礼子とは師弟関係であったが、ひそかに想い続けていた礼子に手紙をしたためて想いを伝えるが・・・。

    年の離れた自分の教え子にプロポーズするという不器用な大学教授を好演。
    礼子へのプロポーズの返事を電話越しに聞くシーンは見事な演技。
    不器用で不様な姿に男の哀愁を感じさせてくれた。

    「男はつらいよ 葛飾立志篇(第16作)」作品の解説

    「寅次郎」と「学問」というアンバランスなテーマをうまく掛け合わせて、見事なエンターテイメントに仕上げた作品。

    過去に、「とらや」に下宿したインテリ・岡倉金之助(米倉斉加年)という男がいたが、今回はその女性版となった筧礼子(樫山文枝)というインテリ女性が下宿人として登場し、マドンナとなって物語が展開されていく。

    寅次郎がマドンナに恋する裏で、ひそかに同じマドンナに想いを寄せる大学教授・田所(小林桂樹)の恋愛模様も同時に描かれており、どちらの恋も実らずに物語の幕が下りる。

    思い悩んだマドンナが誰にも打ち明けられずに一人残されてしまう展開がとても切ない。

    元コメディアン出身の渥美清の細かい芸が堪能できる作品になっており、メガネをかけて柴又界隈を歩きまわるシーン、大学教授・田所をからかう様、自ら学生服を着て参考書を売る啖呵売のシーンなど、お笑い要素が盛りだくさんである。

    夢のシーン

    「男はつらいよ 葛飾立志篇(第16作)」夢のシーン

    懸賞金付きタイガーキッド(寅次郎)が、テキサスのサロンで悪徳商人・だあ様(坂東鶴八郎)と早撃ちで決闘する夢。
    さくらが再びチェリー役で登場し、名曲「さくらのバラード」を西部のテキサスバージョンに歌詞を作り変えて歌っている。
    10作に登場した岡倉金之助(米倉斉加年)と、14作に登場した大川弥太郎(上條恒彦)が再び登場する。

    男はつらいよシリーズ全夢のシーン紹介ページ

    「寅次郎」と「学問」というアンバランスさが痛快である

    映画「男はつらいよ」という作品は、単なる喜劇映画の枠を超えて、「人生」もしくは「人間」を知的な視点から描くところに魅力がある。

    この作品も「寅次郎」と「学問」というアンバランスなものを掛け合わせてるところが面白い。

    学に無縁そうな寅次郎が学に目覚めるという設定が愉快。

    当然、学に無縁な寅次郎が学問にのめり込むわけもなく、いつものように学問そっちのけでマドンナに岡惚れ状態になるのだ。

    メガネをかければ賢くなるという発想、学問をしたいという裏にあるよこしまな考えは、いつもの寅次郎と何も変わっていない。

    それがまた安心して笑える部分でもあるのだ。

    ところが、寅次郎という男は学歴はないが、博識あるインテリ男すらも感化させてしまうほどの不思議な魅力を発揮する。

    このあたりが、「寅次郎」と「学問」のアンバランスな痛快さでもある。

    同じマドンナに惚れる「フーテン」と「大学教授」の見えない恋の糸

    「男はつらいよ 葛飾立志篇(第16作)」夢のシーン

    この作品の面白いのは、二人の登場人物がマドンナ・礼子に惚れ、お互いでそのことを知らないまま物語が終わっているところ。

    その二人とは、もちろん寅次郎と田所教授だ。

    お互いで礼子に惚れていることに気付いていない。

    田所教授に至っては恋敵の存在である寅次郎に「(愛情問題に関して)君は僕の師だよ!」などと言ってしまっているから滑稽だ。

    そして、ラストシーンでは寅次郎が田所教授をフった女性が誰だったのかを面白がって聞いているのもまた滑稽だ。

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