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全作品解説

映画「男はつらいよ 寅次郎純情詩集(第18作)」の作品解説(マドンナ:京マチ子)

2021年1月11日

この記事では、寅さん映画シリーズの「男はつらいよ 寅次郎純情詩集(第18作)」の作品の見どころを解説していきたいと思います。

映画「男はつらいよ 寅次郎純情詩集(第18作)」の予告編動画

映画「男はつらいよ 寅次郎純情詩集(第18作)」の作品データ

映画「男はつらいよ 寅次郎純情詩集(第18作)」のビジュアルポスター
公開日1976年12月25日
収録時間103分
マドンナ京マチ子
ゲスト檀ふみ/浦辺粂子
監督・原作山田洋次
スタッフ製作:名島徹
企画:高島幸夫/小林俊一
脚本:山田洋次/朝間義隆
撮影:高羽哲夫
音楽:山本直純
美術:出川三男
録音:中村寛
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣装:松竹衣装
現像:東京現像所
進行:玉生久宗
製作主任:峰順一
協力スバルの富士重工
長野県上田市
別所温泉観光協会
柴又新明会
主題歌男はつらいよ
観客動員数1,726,000人(シリーズ26位)
⇒「寅さんシリーズランキング
同時上映「おとうと」
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映画「男はつらいよ 寅次郎純情詩集(第18作)」のロケ地情報

「男はつらいよ 寅次郎純情詩集(第18作)」のロケ地
  • 中塩田駅(長野県)
  • 前山寺(長野県)
  • 塩野入神社(長野県)
  • 別所温泉(長野県)
  • 旅館いづみ屋(長野県)
  • 別所警察(長野県)
  • 根津神社(東京都)
  • 清水分校(新潟県)
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    「男はつらいよ 寅次郎純情詩集(第18作)」作品のあらすじ

    満男の家庭訪問の時にたまたま帰省する寅次郎。
    若くて美人な先生・雅子(檀ふみ)に有頂天になった寅次郎は、満男の三者面談に勝手に参加してしまい、さくらたちの不評を買ってしまう。
    案の定、博たちともめた寅次郎は旅へ。
    長野の別所温泉にたどり着いた寅次郎は7年ぶりに坂東鶴八郎一座と再会し、お金もないのに大盤振る舞いをし、無銭飲食で警察に捕まってしまう。
    さくらに迎えに来てもらった寅次郎は反省して「とらや」に帰宅するが、ちょうどその時、退院したばかりの雅子の母・綾(京マチ子)と遭遇してしまう。
    さくらの「雅子さんの母親くらいの年齢なら好きになっても文句は言わないわ」というセリフを真に受けた寅次郎は、綾(京マチ子)の自宅へ入り浸りとなってしまう。
    自分の言ってしまったことを後悔したさくらであったが、雅子から綾の余命が短いと聞かされたことにより、寅次郎の背中を押すようになる。
    ある日、体調が悪くなった綾が「とらやのおイモの煮っころがしが食べたい」と知り、おばちゃんに煮ものを作ってもらおうとするが・・・。

    「男はつらいよ 寅次郎純情詩集(第18作)」作品のキャスト

    <メインキャスト>

    • 車寅次郎:渥美清
    • さくら:倍賞千恵子
    • 柳生雅子:檀ふみ
    • 竜造:下條正巳
    • つね:三崎千恵子
    • 博:前田吟
    • 社長:太宰久雄
    • 源公:佐藤蛾次郎
    • 満男:中村はやと
    • 座長:吉田義夫
    • 御前様:笠智衆
    • 柳生綾:京マチ子

    <サブキャスト>

    谷村昌彦/赤塚真人/星清子/梅津栄/笠井一彦/志馬琢哉/杉侃二郎/谷よしの/岡本茉莉/羽生昭彦/木村賢治/長谷川英敏/村上記代/倉橋順子/永六輔

    マドンナ:京マチ子

    マドンナ:京マチ子

    <役名:柳生綾>

    柴又で暮らす柳生家の娘。
    破産寸前の実家を助けるために、母親が戦争成金に嫁ぎ、その後離婚している。
    病気がちで入退院を繰り返して来た。生粋のお嬢さん育ちのため世間知らずの一面を持つ。寅さんとは退院後にとらやを訪問している時にばったり出会う。寅さんよりも年上の女性であったが、さくらの「あの娘のお母さんなら」という発言に反応してしまった寅さんは綾に夢中になっていく。ところが綾の病状は悪化し、帰らぬ人となってしまう。

    マドンナが死んでしまうという展開はこの綾以外に誰もいなく、強烈な印象を残した。

    →「「男はつらいよ」に登場した寅さんの歴代マドンナ47人を徹底ガイド

    ゲスト:檀ふみ

    ゲスト:檀ふみ

    <役名:柳生雅子>

    満男の小学校の臨時の産休教師。
    今回登場するマドンナ・綾の実の娘。
    寅さんとは、満男の家庭訪問に来た時に出会い、綾とのつながりの中で親しくなっていく。
    綾の死を境に屋敷を出て、新潟の小学校へ転勤していく。

    檀ふみは、第42作で泉ちゃん(後藤久美子)のおばさん役、寅次郎のマドンナ役として再度出演します。

    ゲスト:浦辺粂子

    ゲスト:浦辺粂子

    <役名:婆や>

    綾の住むお屋敷のお手伝いさん。
    ものをはっきりと言ってしまう癖と、人をおだてて見返りを得る計算高い一面を持つ。
    綾の死後、息子と一緒に暮らすためにお屋敷を出る。

    「男はつらいよ 寅次郎純情詩集(第18作)」作品の解説

    寅さんシリーズで唯一マドンナが他界してしまうという衝撃的な展開となる異色作。
    17作同様、この作品も寅次郎の恋愛よりも人間の本質的な部分を深くえぐったような作品。
    寅次郎が見返りなどを考えずに、ただ純粋に人のために尽くしたい人間であることが作品を通して感じられる。
    綾の余命を知らされたさくらと、それを知らないまま綾と接していく寅次郎との対比がうまく描かれている。
    そして、綾の死を通して命が繰り返されていく描写もあり、万物の流転を匂わせる演出も素晴らしい。
    また、ラストに登場する坂東鶴八郎一座が渡世人に戻っていく寅次郎をうまく演出する。

    夢のシーン

    「男はつらいよ 寅次郎純情詩集(第18作)」夢のシーン

    アラビアのトランスと呼ばれる男(寅次郎)が、北アフリカの港町でさくらと出会う夢。
    セリフをフランス語にし、日本語字幕を示させて、少し文学的なフランス映画風な作りに。
    坂東鶴八郎一座の座長・吉田義夫が刑事役、大空小百合演じる岡本茉利がさくらをトランスに紹介する娘役で登場している。

    男はつらいよシリーズ全夢のシーン紹介ページ

    見返りを求めない寅次郎の純粋すぎる愛情

    映画「男はつらいよ 寅次郎純情詩集(第18作))

    寅次郎の見返りを求めない愛情を注ぐ行為は、綾と出会う前の前半部分「坂東鶴八郎一座へのおもてなし」からすでに始まっている。

    一座をもてなすためにお金もないのに料理や酒を振舞ってしまうのだ。

    警察に捕まった寅次郎の身柄を引き取りに来たさくらは、当然この事情を知らない。

    寅次郎のほうもあえて語ることはない。

    寅次郎は相手に喜んでもらえれば、自分がどんなに酷い状況になろうとそれはそれでOKというスタンスなのだ。

    後半部分では、寅次郎の純粋すぎる愛情がより深く表現されていくようになる。

    それは、綾への無償の献身だ。

    綾の具合が悪いと仕事をキャンセルして会いに行ったり、「人間はなぜ死ぬんでしょう?」という綾の難しい問いにも、ない頭を振り絞って一生懸命に答えようとするのだ。

    綾の余命を知っていたさくらと知らずにいた寅次郎

    映画「男はつらいよ 寅次郎純情詩集(第18作))」の作品解説

    雅子から綾の余命を知らされていたのさくらだけである。

    とらやの人たちだけでなく、寅次郎でさえも綾の余命が短いということを知らないまま綾と接していた。

    とらやの茶の間で繰り広げられた綾の仕事について語りあうシーンは、雅子とさくらが最も辛い気持ちになったことだろう。

    そして、綾の具合が悪くなり、寅次郎が「とらや」の芋の煮物を作って欲しいと帰ってきた時のさくらの真剣なまなざし。

    この時、誰よりも綾の死を覚悟したのはさくらだったろうと思う。

    そして、綾の余命を知らずにいた寅次郎は綾の死後、静かな口調で雅子にこんなことを語り出すのだ。

    「私は何も知らねえからバカばっかり言って、どんなにお嬢さんに悲しい思いをさせたかと・・・、それを思うと、いてもたってもいられねえ気持になりましてねえ。もし知ってれば、もう少し何かしてやれることがあったんじゃねえかと、そう思うんですけどねえ。」

    映画「男はつらいよ 寅次郎純情詩集(第18作))」の作品解説

    これは、綾の死を知らされずに接してきた寅次郎の本音だが、これから死を迎える人間に死を意識した特別な接し方をすることが正しいかどうかはわからない。

    むしろ、何も知らずに普通に接してくれていたからこそ、いい場合だってある。

    さくらはそれをわかっていたからこそ、寅次郎に綾の余命が短いことを伝えなかったのだろう。

    柴又駅で綾を思う寅次郎の視界に飛び込んできたものとは?

    映画「男はつらいよ 寅次郎純情詩集(第18作))」の作品解説

    この作品の特徴的なものを挙げるとすれば、ラストの柴又駅でさくらと寅次郎が綾の仕事について語り合うシーン。

    綾を想う寅次郎の視界に映ったものは、赤ん坊を背負う女性と、結婚式の披露宴帰りの若い女性たち。

    これから人生が始まっていくかのような女性たちが、死んでいった綾とはまるで対照的な存在として寅次郎の視界に飛び込んでくる。

    寅次郎「なあ、さくら、人の一生なんてはかないもんだなあ」

    寅次郎は、ほんの短いシーンの中で万物の流転を感じ取っているのだ。

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