作品解説

映画「男はつらいよ(第1作)」の作品解説

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この記事では、寅さん映画シリーズの「男はつらいよ(第1作)」の作品の見どころを解説していきたいと思います。

<映画「男はつらいよ(第1作)」の作品データ>

映画「男はつらいよ(第1作)」
公開日 1969年8月27日
収録時間 91分
マドンナ 光本幸子
ゲスト 志村喬
監督 山田洋次
観客動員数 543,000人(シリーズ45位)
同時上映 「喜劇 深夜族」
啖呵売した商品 古本(雑誌)
⇒「寅さんが啖呵売した作品別全商品リスト
「男はつらいよ(第1作)」のロケ地
  • 東大寺二月堂(奈良)
  • 奈良ホテル(奈良)
  • 浮見堂(奈良)
  • 法起寺(奈良)
  • 天橋立(京都)
  • 「男はつらいよ(第1作)」作品のあらすじ

    20年ぶりに故郷・柴又へ帰ってきた主人公の車寅次郎。

    たった一人の妹さくらと久しぶりに再会したものの、さくらのお見合いの席で失態をさらしてしまい、それがキッカケで縁談は破談となってしまう。
    負い目を感じた寅次郎は、再び旅の空へ。

    ところが、旅先で旅行中の御前様、その娘の冬子に偶然に出会い、冬子の計らいで寅次郎は再び故郷の柴又へ帰ることになる。

    そして、裏の印刷工場で働いている職工・博がさくらに惚れていることを知った寅次郎は、博に恋の手ほどきをするが失敗。
    寅次郎を頼れないと悟った博は、自らでさくらへの想いを告げる。
    意を決した博のプロポーズに心打たれたさくらは、それを受け入れて結婚を決意する。

    一方、冬子に浮かれる寅次郎であったが、冬子の婿となる男性が突然現われてしまい、寅次郎の恋心はむなしく終止符を打つことに。

    「男はつらいよ(第1作)」作品のキャスト

    <メインキャスト>

    • 車寅次郎:渥美清
    • さくら:倍賞千恵子
    • 冬子:光本幸子
    • 御前様:笠智衆
    • 諏訪飈一郎:志村喬
    • 竜造:森川信

    <サブキャスト>

    三崎千恵子/関敬六/佐藤蛾次郎/津坂匡章/前田吟/村上記代/津路清子/志賀真津子/石島戻太郎/広川太一郎/近江俊輔/太宰久雄/大久保敏男/高木信夫/水野皓作/川島照満/北竜介/市山達己/石井愃一/佐藤和子/秩父晴子/後藤泰子/谷よしの/水木涼子/米本善子/大塚君代

    マドンナ:光本幸子

    マドンナ:光本幸子

    <役名:坪内冬子>

    柴又題経寺の住職(御前様)の娘。
    和服が似合い、気品あふれる女性でありながら、寅次郎と競艇を楽しんでしまうお茶目な面も持ち合わせている。
    幼少期は、寅次郎に「出目金」とうあだ名を付けられてからかわれていた。

    記念すべきシリーズ最初のマドンナ。
    寅次郎が一方的に冬子に好意を寄せ、最終的にフラれる形で終わる。
    ちなみに、第7作「男はつらいよ 奮闘篇」と第46作「男はつらいよ 寅次郎の縁談」でも御前様の娘(坪内冬子)役で登場してくる。

    →「男はつらいよシリーズ全マドンナ紹介ページ

    ゲスト:志村喬

    ゲスト:志村喬

    <役名:諏訪飇一郎>

    博の父。
    高校を中退して家を飛び出した博と8年ぶりに再会する。
    岡山県に実家を持ち、博の幼少期には北海道で大学教授を務めていた。

    博とのわだかまりを残したまま息子の結婚披露宴に出席。
    周りから礼儀知らずでひどい父親と思われていたものの、最後のあいさつで一変。
    息子をうまく育てられなかったことを正直に告白する飇一郎。
    8年間の博とのわだかまりが一瞬で溶けることになる。

    「男はつらいよ(第1作)」作品の解説

    テレビ版「男はつらいよ」で、ハブに噛まれて死んでしまった寅次郎を復活させるために製作された映画。

    一人の俳優が演じたもっとも長い映画シリーズとしてギネス記録に認定された1作目の作品でありながら、シリーズ最高傑作とも言えるほどの完成度に仕上がっている。

    たくさんの出来事を全体的にコンパクトに90分に収められているところが凄い

    第1作目の「男はつらいよ」では、様々な出来事が一本の作品の中に散りばめられており、よく90分に収められたなあといった印象が強い。

    しかも、どれも中途半端になっていないところが素晴らしい。

    寅次郎が20年ぶりに帰郷し、さくらのお見合い、さくらと博のラブロマンスのシーンがあり、そこからさくらと博の結婚披露宴、さらに子供が生まれ、そして寅次郎と冬子の恋模様までもが、90分の短い映画という枠の中にきれいにまとめられている。

    シリーズ化も考えずに一投入魂で完結させようとするエネルギーが感じられる

    おそらく、この1作目となる「男はつらいよ」を製作する時点で、山田洋次監督はシリーズ化されることなど一切考えずに作っていたと思われる。

    もしそうであれば、これ一本で完結させる思いで、すべてを出し尽くして終わらせようと考えていたはずだ。

    だからこそ、主人公・車寅次郎と、その周りで生きる人間たちの描き方に無駄がない。

    寅次郎が20年ぶりに柴又に帰ってきて、兄として妹のさくらの結婚をしっかりと見届け、当の本人はフラれ、再びフーテンの旅に出てしまう・・・というストーリーが一直線につながって物語は気持ちよく終焉を迎えられるのだ。

    まさに、全くの無駄がない作品に仕上がっている。

    渥美清の若さと情熱があふれ出る作品

    「男はつらいよ(第1作)」作品の解説

    第1作目の「男はつらいよ」の撮影時の渥美清の年齢は40歳。

    決して若い年齢とは言えないが、渥美清が役者としてちょうど脂の乗り始める時期だったのではないだろうか。

    とにかく、シリーズ後半では決して観ることができない、軽快な口調でしゃべり倒す寅次郎が存分に楽しめる。

    さくらを殴るシーンがある

    とにかく、第1作目の「男はつらいよ」の寅次郎は血気盛んである。

    さくらのお説教に耳を傾けることなく、勢いのままさくらを殴ってしまうシーンも含まれており、かなり暴力的な一面をのぞかせている。

    そして、寅次郎自身のキャラクターもまだ定着しておらず、第1作目の作品では「キス」「ペッティング」といった下ネタを堂々と口にする寅次郎がいて驚かされる。

    寅次郎の歯切れのいいセリフと躍動感のある動きが印象的

    脚本にそんなセリフが本当に書いてあったのだろうかと思えるほど、寅次郎の軽快で、歯切れのいいセリフが冴えわたる。

    これをを聞いているだけでも十分に楽しめるのではないかと思えるほどの作品だ。

    寅次郎と博の決闘のシーンでは、実際に渥美清がアドリブでセリフを加えてしまったシーンがある。

    「お前と俺は別な人間なんだぞ。早い話しがだ、オレが芋食ってお前の尻からプーと屁がでるか?」

    このセリフは、渥美清が突然ひらめいて発したものだったらしい。(ネタ元「寅さんの向こうに」)

    しかし、渥美清のアドリブがこれだけだったとは到底思えない。

    作品のいたるところで渥美清のアドリブが炸裂していたのではないだろうか?

    このように、第1作目の「男はつらいよ」では渥美清のアドリブと思えるセリフがたくさん散りばめられているのだ。

    それを探しながら観るのも、この作品の醍醐味なのかもしれない。

    「男はつらいよ(第1作)」の動画

    映画「男はつらいよ」シリーズは、「FODプレミアム」「hulu」「U-NEXT」などの動画配信サービスを利用することで、いつでも視聴することができます。

    詳しくは、下記の記事をご覧ください。

    映画「男はつらいよ(寅さん)」シリーズ全49作のフル動画をいつでも好きな時に観る方法

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