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寅さんのおいちゃん役は何回交代したの?歴代おいちゃんの紹介

2019年7月31日

この記事では、映画「男はつらいよ」に登場する"おいちゃん"について深掘りしていきたいと思います。

映画「男はつらいよ」に登場する"おいちゃん"は、作品によって役者さんが変わっています。

あれだけ長い期間でシリーズ化されれば、こういった問題も当然出てきますよね。

もちろん、映画の中で登場するおいちゃん(車竜造)は、同一人物ということになっていますが、演じる役者さんが変われば、当然そこから醸し出される"おいちゃん"像も変わってきます。

今回は、映画「男はつらいよ」の"おいちゃん"は、シリーズ中に何回交代されたのか?

そして、交代されたそれぞれの"おいちゃん"の特徴や、演じた役者さんについて紹介していきたいと思います。

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男はつらいよに登場する寅さんのおいちゃん役は何回交代されたの?交代した理由は?

おいちゃんは、全シリーズの中で3回交代されています。

おいちゃんを演じた役者さんと、出演作品は下記の通りです。

初代おいちゃん森川信第1〜8作
二代目おいちゃん松村達雄第9〜13作
三代目おいちゃん下條正巳第14〜49作、第50作

なぜおいちゃんが3回も変わったのか?交代の理由を詳しく解説

おいちゃんが3回も変わった理由は、それぞれ明確な事情がありました。

初代から二代目への交代理由(森川信→松村達雄)

初代のおいちゃんを演じた森川信は、1972年3月26日に肝硬変で他界してしまったため、第8作目「男はつらいよ 寅次郎恋歌」までの出演となりました。享年60歳という若さでの突然の訃報は、寅さんファミリーにとって大きな衝撃でした。

その後、二代目おいちゃんとして白羽の矢が立ったのが、松村達雄でした。松村は小津安二郎監督作品の常連俳優として知られる実力派で、第9作目「男はつらいよ 柴又慕情」から登場しました。

二代目から三代目への交代理由(松村達雄→下條正巳)

松村達雄は、第9作目から第13作目「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」までの5作品においちゃん役を演じましたが、腸の手術のため、第14作目「男はつらいよ 寅次郎子守唄」の制作に間に合わせることができませんでした。

そのため、急きょ第14作目から下條正巳が三代目おいちゃん役を務めることになりました。この突然の交代に、松村達雄は自分が演じ続けるつもりでいただけに、かなりご立腹だったと言われています。

その後、下條正巳は第49作目「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」まで、そして2019年公開の第50作「男はつらいよ お帰り 寅さん」でも(過去映像として)おいちゃん役を演じ続けました。最も長くおいちゃん役を務めた俳優として、多くのファンの記憶に残っています。

二代目おいちゃん松村達雄のその後

ちなみに、二代目おいちゃんの松村達雄は、13作目以降も自分が演じるつもりでいたため、14作目で交代されられてしまったことにかなりご立腹だったようです。

それが原因だったのか、その後いろんな役で寅さんシリーズに登場しまくります。

実は、松村達雄は2代目おいちゃんを演じる前にも、マドンナ(若尾文子)の病気を看にきた、頼りのない医師役で登場していたりします。

二代目おいちゃんの松村達雄が演じた他の役
  • 第6作「男はつらいよ 純情篇」 - 山下医師役
  • 第23作「男はつらいよ 翔んでる寅次郎」- 結婚式の仲人役
  • 第26作「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌」- 定時制高校の教師(林先生)役
  • 第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」- 和尚役
  • 第35作「男はつらいよ 寅次郎恋愛塾」- 牛山教授役
  • 第39作「男はつらいよ 寅次郎物語」- 医師役
  • 寅さんとおいちゃんの関係は?おばちゃんとの関係も解説

    おいちゃん(車竜造)と寅さんの関係性

    車竜造(通称:おいちゃん)は、寅さんにとって叔父にあたります。

    正確には、寅さんの実の父親である車平造の弟が竜造です。つまり、血のつながった叔父甥の関係ということになります。

    寅さんが幼い頃に両親を亡くした後、おいちゃんとおばちゃん(つね)夫婦が寅さんと妹のさくらを引き取って育てました。柴又の団子屋「とらや」を営みながら、二人を実の子供のように愛情を注いで育て上げたのです。

    そのため、寅さんにとっておいちゃんは、実の父親代わりのような存在。口では文句を言い合っても、お互いに深い愛情と信頼で結ばれた関係です。

    おいちゃんとおばちゃん(つね)の夫婦関係

    おいちゃんの妻であるおばちゃん(車つね)は、シリーズを通して三崎千恵子が演じました。

    ⇒「おばちゃんのプロフィールと略歴-男はつらいよシリーズの登場人物紹介

    おいちゃんとおばちゃんは、典型的な下町の夫婦という感じで、おばちゃんがしっかり者で、おいちゃんはどこか頼りない部分もある——そんな絶妙なバランスの夫婦関係が描かれています。

    寅さんが家出を繰り返したり、トラブルを起こすたびに、二人で心配したり、時には怒ったりしながらも、いつも寅さんを温かく迎え入れる。そんな愛情深い夫婦でした。

    おばちゃん役の三崎千恵子は2012年2月に亡くなりましたが、寅さんシリーズ全作品に出演し、柴又の温かい家族の中心人物として多くのファンに愛されました。

    寅さんの歴代おいちゃんの紹介

    寅さんの叔父にあたる"おいちゃん"(車竜造)は、3人の役者さんが演じたことにより、それぞれの空気感や個性が反映されていて、なかなか面白いものがあります。

    そこで、3人の役者さんが演じた、それぞれの"おいちゃん"の特徴などを簡単にまとめてみたいと思います。

    初代おいちゃん役:森川信

    初代おいちゃん:森川信
    都合が悪くなるとすぐ逃げ腰になる、小心者でお調子者

    テレビ版「男はつらいよ」のおいちゃん役も、森川信が演じていました。

    寅さんのことを「とらさん」と呼んでいたのは、このおいちゃんの時だけ。

    しかし、一度ケンカが始まると、激しい口調で応戦し、寅さんと熱いバトルを繰り広げました。

    口癖は、「知らねえよ、俺は」「バッカだねぇ、あいつは」「まくら、さくら出してくれ」など。

    お決まりのセリフを毎回発して笑わせてくれたのは、このおいちゃんの時でした。

    寅さんがいない時に寅さんの悪口、陰口をたたくことが多く、それが見つかってアタフタするというオチが何度もありました。

    森川信のおいちゃんの笑えるエピソード

    初代おいちゃんの笑えるシーンといえば、寅さんと口ケンカになって形勢が悪くなると、すぐに「まくら、さくら出してくれ」と言って布団に逃げ込んでしまうところ。寅さんに追い詰められると、逃げ腰になってしまう小心者ぶりが、何とも言えない笑いを誘いました。

    また、寅さんがいない間に散々悪口を言っておきながら、突然寅さんが帰ってきて慌てふためく様子も定番でした。

    森川信のプロフィール
    ■生年月日:1912年2月14日
    ■没年月日:1972年3月26日(60歳没)
    ■出生地:神奈川県
    ■主な出演作「サザエさん(1966年)」「喜劇 駅前シリーズ」

    二代目おいちゃん役:松村達雄

    二代目おいちゃん:松村達雄
    何でも言いたいことが言い合える、寅次郎の良き理解者

    寅さんとの絡みがコントチックになっていたのが、このおいちゃんの時。

    口喧嘩、乱闘シーンであったとしても、どこか喜劇っぽくなってしまうのが、このおいちゃんの特徴的なところです。

    寅さんの得意技、足の裏グリグリ攻撃も、松村達雄が"おいちゃん"の時に誕生したものです。

    寅さんとは、「仲がいいからこそ、ケンカをする」という表現がピッタリな間柄で、直接口には出さないものの、どこか寅次郎のことを心配している優しいおいちゃんでした。

    松村達雄のおいちゃんの笑えるエピソード

    二代目おいちゃんの笑いどころは、何と言っても寅さんとの取っ組み合い。コントのような乱闘シーンが多く、寅さんに足の裏をグリグリされて「いてててて!」と叫ぶ姿は、まさに喜劇そのものでした。

    小津映画でシリアスな演技をしていた松村達雄が、こんなコミカルな演技を見せてくれるのも、寅さんシリーズならではの魅力でした。

    松村達雄のプロフィール
    ■生年月日:1914年12月18日
    ■没年月日:2005年6月18日(90歳没)
    ■出生地:神奈川県
    ■主な出演作「東京物語(1953年)」「どですかでん(1970年)」「まあだだよ(1993年)」

    三代目おいちゃん役:下條正巳

    三代目おいちゃん:下條正巳
    冷静沈着で、寅次郎の間違いをしっかりと正してくれる、良き叔父さん

    寅さんとは真逆な性格で、責任感が強く、まじめに団子屋を営む堅気気質の強いおいちゃん。

    間違った寅さんを常に正しい方向に導いてくれるような、指導者的な雰囲気のある人物でした。

    寅さんとの乱闘シーンもそんなに多くはなく、どこかおっとりした性格の"おいちゃん"でもありました。

    第14作から49作まで、最も長く"おいちゃん"を演じてきたということもあり、寅さんの"おいちゃん"というと、やはり下條正巳の顔が思い浮かぶのは、私だけではないと思います。

    2019年公開の第50作「男はつらいよ お帰り 寅さん」では、過去映像として下條正巳のおいちゃんが登場し、多くのファンに懐かしさと感動を与えました。

    下條正巳のおいちゃんの笑えるエピソード

    三代目おいちゃんは、前の二人に比べると落ち着いた性格でしたが、それでも寅さんとのやり取りには笑えるシーンがたくさんありました。

    特に、寅さんが何か馬鹿なことを言った時に見せる、呆れ顔と冷静なツッコミは絶妙でした。怒鳴り合うのではなく、「お前なぁ...」と諭すような口調で寅さんを諌める姿は、まさに良き叔父さんそのものでした。

    また、おばちゃん(つね)に頭が上がらない様子や、寅さんのトラブルに巻き込まれて困惑する表情なども、クスリと笑える名場面でした。

    下條正巳のプロフィール
    ■生年月日:1915年8月26日
    ■没年月日:2004年7月25日(88歳没)
    ■出生地:朝鮮、釜山
    ■主な出演作「白い巨塔(1966年)」「八つ墓村(1977年)」「キネマの天地(1986年)」

    3人のおいちゃんを比較!あなたはどのおいちゃんが好き?

    3人のおいちゃんは、それぞれ個性が異なり、寅さんとの関係性も少しずつ違っていました。

    初代・森川信:小心者でお調子者、寅さんと激しくケンカするタイプ
    二代目・松村達雄:コミカルで喜劇的、寅さんと取っ組み合いをするタイプ
    三代目・下條正巳:冷静沈着で優しい、寅さんを諭すタイプ

    どのおいちゃんも魅力的で、それぞれの時代の寅さんシリーズを支えてきました。あなたはどのおいちゃんが一番好きですか?

    あなたが好きだった"おいちゃん"でを教えてください。

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    まとめ

    今回は、映画「男はつらいよ」に登場する"おいちゃん"が、シリーズ中に何回交代されたのか?そして、交代されたそれぞれの"おいちゃん"の特徴や、演じた役者さんについて紹介してみました。

    おいちゃんは、全シリーズの中で3回交代されています。

    主要キャストが3回も変わってしまったというのは、この"おいちゃん"だけでした。

    しかし、3人の役者さんが演じたことにより、3人の個性あふれる"おいちゃん"が楽しめたというのもあると思います。

    それぞれのおいちゃんには、寅さんとの笑える名場面があり、おばちゃん(つね)との夫婦としての温かいやり取りもありました。叔父として、父親代わりとして、寅さんを見守り続けた"おいちゃん"の存在は、「男はつらいよ」シリーズに欠かせないものでした。

    2019年公開の第50作「男はつらいよ お帰り 寅さん」でも、過去映像を通しておいちゃんの姿が蘇り、多くのファンの心に温かい思い出を残しました。

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